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頭部外傷

頭部外傷とは

外部から力が加わり、皮膚、頭蓋骨、脳に損傷を受けた状態です。原因は交通事故、転倒、転落、打撲などがあります。
頭部外傷で緊急となる疾患は、急性硬膜外血腫、複雑陥没骨折、視神経管骨折、急性硬膜下血腫など。

小児頭部外傷の特徴は帽状腱膜下血腫や骨膜下血腫を作りやすく、腱膜と骨膜、骨膜と骨の結合が弱いため剥離してしまいます。
骨縫合が未完成なため、わずかな外力で縫合離開が起こります、骨が弾性に富んでいるため陥没性骨折が生じやすく、小児の頭蓋骨は歪みやすく直接的な外力により損傷がきたしやすい特徴があります。

頭部表面の損傷

頭皮は血管が富んでいるため創の大きさの割に出血量が多くなる特徴があります。
外皮から脳までの構造は、皮膚、帽状腱膜、骨膜、頭蓋骨、硬膜、くも膜、脳の順になっています。
処置の方法は異物の除去、縫合、感染対策となります。
よくいわれるたんこぶは軟部組織の皮膚、腱膜、骨膜に出血し、血腫ができた状態を指します、それぞれの部位で、皮膚なら皮下血腫、帽状腱膜は帽状腱膜下血腫、骨膜は骨膜下血腫と呼ばれます。

血腫の特徴

皮下血腫の場合、皮膚内部、帽状腱膜との間に血腫がたまる状態で、特別な治療は必要なく数日で吸収、消失します。
帽状腱膜下血腫は帽状腱膜と骨膜の間に血腫がたまる状態で皮膚ほど血管の数が多くないため2週間ほどで吸収、消失します。
骨膜下血腫は骨膜と頭蓋骨の間に血腫がたまります。血腫の吸収は悪く、石灰化や骨化する事があります。

創傷

機械的損傷と非機械的損傷があり、
機械的損傷の種類には開放性損傷と非開放性損傷に分かれています。
開放性損傷は切創・割創・剥皮創、刺創、裂創、擦過創、咬創などもあります。
主たるもの
切創は鋭利な刃物による開放創。
剥皮創は帽状腱膜と骨膜、あるいは筋膜との間で乖離が起こった状態。
非機械的損傷は化学的損傷や物理学的損傷を指します。高熱、低温、紫外線、電磁放社線や電気などによる外的な力が加わらない損傷です。

頭蓋骨骨折(Skull fractures)

診断にはレントゲン及びMRI、CTスキャンが使用されます。
線状骨折は閉鎖性損傷が多く、
陥没骨折は開放性損傷が多く見られます。
頭部外傷による頭蓋骨骨折時に注意するべき合併症は髄液鼻漏、blow-out骨折:眼球運動障害、視神経管骨折、髄膜炎、髄液漏、外傷性てんかんなどがあります。

力学的には骨折は頭蓋骨が1mの高さから固い面に落下した場合、交通事故では衝突時の速度が10km/hを超えると頭蓋骨骨折を生じるとされています。

頭蓋骨骨折の種類:骨折には線状骨折、頭蓋底骨折、陥没骨折などがあります。

  • ・単純骨折は裂創などから頭蓋骨が見えない状態です。
  • ・複雑骨折は裂創などから直接外界に通じている、あるいは頭蓋底骨折のように副鼻腔を介して間接的に外界と通じている状態です。
  • ・閉鎖性骨折(Closed fracure)、頭蓋内腔と外界が通じていない、開放性骨折は複雑骨折において硬膜内腔と外界が通じている状態を指します。
  • ・線状骨折:骨折が線状にあるもの。
  • ・粉砕骨折(comminuted fraccture):線状骨折が複雑化し骨片をともなうもの。
  • ・陥没骨折:骨折片の全層が陥入している状態を指します。頭蓋骨円蓋部に特有の骨折です。

頭蓋底骨折:前頭蓋底骨折、中頭蓋底骨折、後頭蓋底骨折などがあります。

  • ・前頭蓋底骨折は顔面部の打撃、
  • ・中頭蓋底骨折は側頭部に打撃により生じることが多くみられます。
  • ・後部蓋底骨折の多くは転落や事故によるものです。

特徴的な所見
・眼窩周囲の溢血斑(black eye):前頭蓋底骨折時に上下眼瞼に限局し腫脹としてあわられます。
・Battle兆候:中頭蓋底骨折時に耳下後部(乳様突起部)の皮下出血(溢血斑)としてあわられます。
・髄液漏:髄液漏出部位は耳と鼻があり、
・髄液鼻漏:髄液が頭蓋底骨折部位を介して鼻腔から流出することをいいます。流出部位は、前頭洞、篩骨洞が多く発生時期は受傷時から48時間以内にみられることが多いです。
・髄液耳漏:髄液が頭蓋底部骨折を介して外耳道から流出することをいいます。
・脳神経損傷:嗅神経が最も損傷を受けやすく、次いで聴覚障害(聴神経損傷、中耳及び内耳障害)、顔面神経損傷、視神経損傷(視交叉)、三叉神経損傷になります。
・気頭症:頭蓋内に空気が進入、貯留した状態。原因として前頭蓋底骨折が多く、その半数に髄液漏を合併します。

眼窩吹き抜け骨折;眼窩部に大きい物体が衝突することにより眼窩内圧が高まり、眼科壁を構成している骨のうち薄くて抵抗性の弱い部分(眼窩下壁や内側壁)に破裂骨折がおき、眼科内容が副鼻腔内へ嵌頓します。
症状:眼球運動障害、複視(上方視時に顕著)、眼球の偏位、眼球陥没、下眼瞼部の知覚障害
交通事故やスポーツ外傷が主たる原因になります。

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