脂質異常症

  • 電話でのお問い合わせ
  • メールでのお問い合わせ 勝川脳神経クリニック
  • 勝川脳神経クリニック 交通アクセス
  • 脳ドック
  • メールでのお問い合わせ 勝川脳神経クリニック
  • 電話でのお問い合わせ
  • 勝川脳神経クリニック 交通アクセス

HOME > 疾患 > 脂質異常症

脂質異常症

脂質異常症は、血液中のコステロールあるいはトリグリセライドに異常をきたした病態です。わが国では食生活の欧米化に伴って患者数は増加しており、2007年までは“高脂血症”という名称が用いられていましたが、低HDLコレステロール血症も含む名称としてそぐわないことと、海外での名称(Dyslipidemia(ディスリピデミア))に合わせて、“脂質異常症”に変更されています。 (添付文書上あるいは健康保険上では“高脂血症”も使われています。) 脂質管理と同時に他の危険因子(喫煙、高血圧や糖尿病の治療など)を是正する必要があります。

LDL-C値以外の主要危険因子

加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40 mg/dL)

脂質異常症の分類

脂質異常症(高脂血症)は、病因や増加(または低下)しているリポ蛋白(表現型)によってそれぞれ分類することができます。

(1) 病因による分類

脂質異常症(高脂血症)は、主に遺伝によって起こる原発性高脂血症と、他の疾患が原因によって起こる二次性(続発性)高脂血症に分けられます。診療では脂質異常症の二次性が多くみられます。

2) 表現型による分類

増加しているリポ蛋白(表現型)によって脂質異常症を分類する方法をWHO表現型分類と言います。I型、IIa型、IIb型、III型、IV型、V型の6種類に分類します。患者数(日本人)としては、IIa型、IIb型、IV型で全体の98%を占めます。

トリグリセライド(中性脂肪,TG)の危険性

トリグリセライド(中性脂肪)は、主にエネルギーを貯蔵する役割を果たしていますが、血中のトリグリセライドが増えすぎると、(1)HDLの減少や(2)LDLの質の低下(”超悪玉“(小型LDL)コレステロールの発生)が起こり、動脈硬化の原因になります。

(1) HDL-Cの減少

高トリグリセライド血症の患者では、HDL-C値も低い場合が多く、このような患者では2つの危険因子を同時に持つことになります。

(2) LDLの質の低下(”超悪玉“(小型LDL)コレステロールの発生)

高トリグリセライド血症の患者では、悪玉のLDL-Cよりも更に動脈硬化性の高い”超悪玉”コレステロール「small(スモール) dense(デンス) LDL」が発生します。トリグリセライドは、small dense LDLの発生を介して動脈硬化を引き起こす、いわば「陰の真犯人」と言えます。

脂質異常症治療剤

脂質異常症の治療は食事療法、運動療法が基本で、生活習慣の改善では効果が得られない場合に薬物療法を考慮します。LDL-C値の低下、トリグリセライド値の低下、HDL-C値の上昇を指標とした薬剤選択が必要となります。薬物治療は個々の患者の病態に応じ、各薬剤の作用点と効果を考慮して選択します。

脂質異常症(高脂血症)治療剤には、フィブラート系薬剤(リピディル)、HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン系薬剤)、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤、ニコチン酸誘導体、プロブコール製剤、EPA*)製剤などがあります。

*) EPA:eicosapentaenoic acid(エイコサペンタエン酸)の略称。リン脂質を構成する脂肪酸の一つです。

Information