頭痛の原因と種類、治し方

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頭痛の原因と種類、治し方

最終更新日 2020年2月22日
監修:医療法人青漣会 勝川脳神経クリニック
理事長 青山 国広

頭痛の原因

頭痛はどこから来るのでしょうか・・。
頭痛の原因は何だと思いますか?
実は、脳(実質)自体に痛みを感じる神経はなく、脳だけの障害では痛みは感じないのです。
脳が障害を受けると、そこに関係している脳の局在の神経症状はきたしますが、(麻痺や失語など)、痛みは感じることはありません。

痛みの原因は、脳に栄養を送る血管、脳の表面を覆って守っている硬膜、骨、皮膚、筋肉などの障害が痛みと感じることになります。
例えば、血管の痛みであれば、片頭痛や解離性脳動脈瘤、筋肉の痛みであれば緊張性頭痛などの疾患があてはまります。

頭痛の種類

多い主訴の一つとして頭痛があります。
頭痛の分類:一次性頭痛(機能性頭痛)と二次性頭痛(症候性頭痛)

一次性頭痛の代表は、片頭痛緊張型頭痛が良く知られており、前者は人口の5〜10%、後者は人口の約20%と報告されています。(国民の4人に1人が頭痛)

二次性頭痛はくも膜下出血など生命をにかかわる疾患が隠されており、MRIを用いて脳動脈瘤を的確に診断することが大切になります。

一概に頭痛といっても下記のような様々な症状があります。

  • ・ズキン-ズキン、ドクン-ドクンと脈打つタイプ
  • ・ギュ-と締め付けられるタイプ
  • ・ズキッ-ズキッと刺すようなタイプ
  • ・ガーンとハンマーで叩かれた様な痛みのタイプ
  • ・その他、頭全体が重い、眼の奥が痛い

特殊な頭痛

可逆性脳血管攣縮症候群
(Reversible cerebral vasoconstriction syndrome、RCVS)

可逆性脳血管攣縮症候群とは
一過性に脳の血管が痙攣や収縮を起こす症候群です。
主な症状として激しく突然起こる頭痛、脳梗塞や一過性脳虚血発作に似た症状などがあり、虚血が起きた血管の領域により、視力障害や四肢の脱力、しびれ感、呂律障害などの症状が現れる場合があります。
可逆性と名前に付いており多くの場合は3ヶ月程度で病状改善していきますので発症に気づかない場合もあります。

可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)は2007年から名称がつけられ始めました。
2007年以前は病状、症状により
Call syndrome
Call-Fleming syndrome
分娩後血管症(postpartum angiopathy)
良性中枢神経系血管症(benign angiopathy of the central nervous system)
片頭痛性血管攣縮
偏頭痛性動脈炎(migraine angiitis)、
薬剤性脳血管炎(drug-induced cerebral angiitis)
薬剤性脳血管症
などと、様々な呼ばれ方をしていましたが、これらを総称し可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)と呼ばれる様になりました。

可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の診断基準

急性の強い頭痛(雷鳴用頭痛)(神経症状は伴う時と伴わない時がある)
発症後1か月以上の新規症状を伴わない単相性経過
脳動脈の部分的血管攣縮がある
脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血ではない
髄液所見が正常(蛋白<100mg/dl、WBC<15/μl
発症から12週間以内に脳血管の異常所見が正常に回復

主な症状
繰り返す雷鳴用頭痛、両側性頭痛>片側、嘔気、嘔吐、光音過敏

合併疾患
くも膜下出血(円蓋部が多い)、脳内出血、PRESの合併もある。(頭痛発症後1週間以内が多い)
脳梗塞の合併の場合は頭痛発症後2週間前後のことが多い

誘発
性行為、排便時のいきみ、ストレス、感情、運動、咳、くしゃみ、排尿、風呂、シャワー、水泳、笑いなど

可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の症状の雷鳴用頭痛での鑑別疾患
脳動脈瘤によるクモ膜下出血、脳動脈乖離、脳静脈血栓症など
急性発症の皮質、白質の異常での鑑別疾患
感染性脳炎、脳梗塞、血管炎、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、低酸素性虚血性脳症、PRESなど

まとめ
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)は、不明な点が多い症候群す。RCVSによる頭痛の特徴は、繰り返す雷鳴頭痛です。発症の原因がある程度は解明されていますが、不明な点も多く、低い確率ですが再発する場合もあります。

頭痛の治し方

このような症状の頭痛は、今すぐ病院やクリニックへ

特に注意しなければならないのが、ガーンとハンマーで叩かれた様な痛みのタイプです。
これは、くも膜下出血の時に見られるタイプで、出血に伴って脳圧が亢進して、血管や硬膜を刺激することで痛みが突然起きます。
なぜ、注意しなければならないかと言うと、一時的に出血が止まって症状が改善しても、短期間で再破裂して生命にかかわるからです。

重症度が軽ければ(脳自体の損傷が少なければ)、早く診断して、手術を行えば、助かる可能性があるため、診断は特に一刻を争うことになります。
CT、MRIで出血を診断して、CTAやMRAにて、破裂した血管を同定することになります。

病院やクリニックでの検査

MRIの画像検査だけでなく、事前の問診も重要な意味を成します。

    1.いつごろからの頭痛なのか? 数年前からか、数か月前からか、数週間前からか、数日前からか、今日のいつごろからか などで考えられる疾患が変わってきます。
    2.頭痛の部位はどこか?額か、こめかみか、後頭部か、頭頂部か、頸部かなどです。
    5.いつ頃痛くなるか? 朝or 昼or夕or夜orいつも
    4.頭痛の経過時間は? 数秒or数分or数時間or数日or数週間
    5.随伴症状はあるか?(吐き気、めまいしびれなど)。
上記の問診が大事になります。

受診前に、上記のことを自身で把握しておくことも必要です。
症状の種類、程度、時期、部位などから考えられる疾患を振り分けて、最終的に画像検査を行うことで、器質的な疾患の有無(脳動脈瘤、水頭症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などの有無)を除外、診断し確定となります。

頭痛外来はこちら。

ワクチン接種後の頭痛はこちら。

2016.5.2記


勝川脳神経クリニック|脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科
頭痛・もの忘れ・めまい・しびれ
脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の早期発見・予防、脳ドック

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