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脳アミロイドアンギオパチー(CAA)とは?|症状・原因・MRI所見・治療を専門医が解説
※本記事は勝川脳神経クリニック 院長 青山 国広 医師(日本脳神経外科専門医/日本脳卒中専門医)が監修しています。
監修日:2025年3月21日
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脳アミロイドアンギオパチー(Cerebral Amyloid Angiopathy:CAA)とは
脳アミロイドアンギオパチー(CAA)は、高血圧性脳出血とは異なる原因で脳出血を引き起こす疾患であり、特に高齢者に多くみられる再発性脳出血の原因として注目されています。
大脳皮質および皮質下白質の小血管にアミロイドβ蛋白が沈着し、血管壁が脆弱になることで出血が生じます。
出血の誘因と注意点
高血圧の有無にかかわらず発症し、抗血小板薬や抗凝固薬の使用、頭部外傷などが出血の誘因となることがあります。
再発を繰り返すと、脳血管性認知症の一因となることもあり、長期的な予後管理が重要です。
MRIによる検出と画像所見
MRI検査では、症状がない時期でも「微小出血(cerebral microbleeds)」として検出されることがあります。
T2スター(T2*)やSWIなどの撮影により、後頭葉優位に小さな低信号病変として確認されるのが特徴です。
アルツハイマー病との関連
さらに、CAAはアルツハイマー病との関連性が強く、両者に共通してアミロイドβの沈着が関与していることから、
認知症症状をきたす高齢者の鑑別診断上、重要な疾患とされています。
治療と予防
治療としては、根本的なアミロイド沈着に対する治療法は現在のところ確立されていませんが、
抗血栓薬の使用に対する慎重な評価、頭部外傷の予防、再発防止のための生活指導、MRIによる定期的なモニタリングが重要とされます。
この記事の監修者:
青山 国広(Aoyama Kunihiro)
日本脳神経外科専門医・評議員/日本脳卒中専門医/日本頭痛学会指導医
経歴:
愛知医科大学卒業。中村記念病院脳神経外科をはじめ、函館赤十字病院、一宮西病院(脳神経外科副部長・脳卒中診療科科長)などで勤務。脳卒中・脳血流評価を専門とし、講演・研究・執筆活動も多数。
所属学会:
日本脳神経外科学会/日本脳神経外科コングレス/日本脳卒中学会/日本脊髄外科学会ほか
主な活動・実績:
・脳卒中や脳血流評価に関する講演・学会発表を多数実施
・市民公開講座・医師会・薬剤師会での講演など地域啓発にも積極的に取り組む
・医学誌「脳神経外科速報」や各種医療専門誌における執筆経験あり
・スパズムシンポジウムにて優秀論文賞を受賞(第4回)
・Eur Radiol 掲載論文:“Detection of symptomatic vasospasm…” 等、国際論文掲載実績あり
監修日:2025年3月21日