画像診断(頭蓋骨)
代表的な小児の頭蓋縫合
前頭縫合(metopic suture)
前頭骨の正中にみられる縫合で2歳くらいで閉鎖することが多いです。
5~6歳でも見られる場合もあり、成人の約10%に遺残が認められるといわれています。
偽縫合(mendosal suture)
人字縫合、後頭乳突縫合、頭頂乳突縫合の頭蓋測定点(Asterion)から後頭骨内に水平に伸びる左右2対の短い縫合線で
新生児・乳児期で明瞭に見られることが多く、まれに5~6歳でも見られる場合もあります。
横後頭縫合(transverse occipital suture)とも呼ばれることもあります。
無名軟骨結合(innominate synchondrosis)
後頭骨外側部と後頭上骨を境界とする結合で3歳までに消失することが多いです。
人の頭の骨(頭蓋骨)は、複数の骨が組み合わさってできています。
乳児期には骨と骨はつながっておらず隙間がありますが、成長にあわせてこの隙間は小さくなりつなぎ目ができます。
この隙間を縫合線といい、縫合線はつなぐ骨と骨により名前がついています。
- 冠状縫合(かんじょうほうごう)
- 矢状縫合(しじょうほうごう)
- 人字縫合(じんじほうごう)
- 鱗状縫合(りんじょうほうごう)
- 蝶鱗縫合(ちょうりんほうごう)
- 頭頂乳突縫合(とうちょうにゅうとつほうごう)
- 後頭乳突縫合(こうとうにゅうとつほうごう)
- 前頭縫合(ぜんとうほうごう)
冠状縫合(かんじょうほうごう)
前頭骨と頭頂骨の間
矢状縫合(しじょうほうごう)
正中線に沿った頭頂骨の間
人字縫合(じんじほうごう)
頭頂骨と後頭骨の間
鱗状縫合(りんじょうほうごう)
頭頂骨と側頭骨の間
蝶鱗縫合(ちょうりんほうごう)
側頭骨鱗部と蝶形骨大翼の間
頭頂乳突縫合(とうちょうにゅうとつほうごう)
頭頂骨と乳様突起の間
後頭乳突縫合(こうとうにゅうとつほうごう)
後頭骨と側頭骨乳突部の間
前頭縫合(ぜんとうほうごう)
2通常は子供のころに消失します。6歳前後には消失するとされています。
頭蓋骨
頭蓋を構成する骨の総称を頭蓋骨といいます。
脳頭蓋と顔面頭蓋にわかれ
脳頭蓋には、頭頂骨(とうちょうこつ)、前頭骨(ぜんとうこつ)、側頭骨(そくとうこつ)、後頭骨(こうとうこつ)、蝶形骨(ちょうけいこつ)
顔面頭蓋には篩骨(しこつ)、鼻骨(びこつ)、涙骨(るいこつ)、鋤骨(じょこつ)、頬骨(きょうこつ)、上顎骨(じょうがくこつ)、下顎骨(かがくこつ)、口蓋骨(こうがいこつ)、下鼻甲介(かびこうかい)、舌骨(舌骨)
の15種類の骨があります。
副鼻腔(paranasal sinuses)
副鼻腔は、鼻腔とつながった空間で骨に囲まれた空洞です。篩骨洞、上顎洞、前頭洞、蝶形骨洞の4つがあります。空洞は左右それぞれあり合計8つの空洞があります。
篩骨洞は、両目の間の奥の方にあるハチの巣状の空洞です。
上顎洞は、頬の裏側にある空洞です。
前頭洞は、おでこの辺りにある空洞です。
蝶形骨洞は、鼻の奥の方にある空洞です。
副鼻腔内は通常は空洞で空気が入っており、鼻呼吸をすることで空気の交換が行われます。