MRI検査（当日） / MRI説明

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MRI検査とは

MRIとはMagnetic Resonance Imagingの頭文字をとった略称で、日本語では核磁気共鳴画像法といいます。

MRI検査は強い磁場と電波を使って体内の臓器や血管などを撮影する装置です。
CTやエックス検査と違い放射線を使用しないので、安心して検査していただくことができます。
頭部、頚部、脊椎、関節、腹部など様々な部位の検査が可能であり、多くの診療科において重要な役割を占めています。特に、脳や脳血管の病変（脳梗塞や動脈瘤など）を調べる上で欠かせない装置です。

特に、CTと比べて、より多様な撮影条件の画像を作成することができますので、質的診断（形だけではなく、どのような成分からなるものかを診断すること）に向いています。

MRIの原理

MRIは体内の水（水素原子）に磁石（磁場）と電波をあてたときに起こる共鳴現象による信号を測定し、画像化するものです。その画像を見て、脳梗塞や脳動脈瘤、脳腫瘍を診断します。

ここでMRIの原理について詳しく述べます。（少し難しい内容ですので読み飛ばしても問題ありません）
まず、化学の授業で習った方も多いかもしれませんが、原子は原子核と電子から構成されています。
この原子核は原子核スピンにより磁石の性質を持っています。しかし、それぞれのスピンの向きは普段はばらばらであり、全体では磁化されてはいない状態で存在しています。
ここに外側から強い静磁場をかけることで、それぞれの原子は静磁場をかけた方向に揃い、全体で見ると静磁場をかけた向きに巨視的磁化というものが形成されます。
この巨視的磁化にある特定の周波数のラジオ波を照射すると、静磁場方向が傾き、歳差運動を行うようになります。その運動の周波数のことをラーモア周波数と言いいますが、それは各原子核に固有の周波数であり、かけた磁場の強さに比例して変化します。
ラジオ波の照射をやめると元に戻りますが、この際、それぞれの組織によって戻る速さが異なります。MRIの画像は、主にその違いを利用して作られているのです。
ただし、このままではその核磁気共鳴信号（NMR信号）をどこが発しているかの位置情報が不明であるため、静磁場とは別に距離に比例した強度を持つ磁場をかけ、その信号をフーリエ変換することで、個々の位置に分解し、画像を描くことが可能となります。

MRIの利点と欠点

磁石は無害なため、放射線などの被ばくもなく、また、より精密に検査することができます。
ただし、CTなど、放射線を使った画像検査を行わないと判別できない疾患もあり、すべてMRIで判定できるものではありません。病態に合わせた使い分けが大切です。
また、下記のいずれかに当てはまる方はMRI検査を受けることが難しい場合があります。
・体内に金属が入っている場合
・閉所恐怖症の方
・姿勢保持ができない場合
などです。事前に一度、ご相談ください。

MRI検査の料金

多くの疾患はMRIで診断でき、撮影条件（シーケンス）を変え診断していくこととなります。
シーケンス一覧：T2、T1、DWI、フレア、T2スター、ASL、MRA　など。
多くは、上記シーケンスで診断可能で、合計撮影時間：15分　保険３割負担費用：7,000円が目安です。（１割負担：2,300円）

MRI検査における撮影条件（シーケンス）

MRI（総論）では、下記に簡単に代表的なシーケンスの解説を記載します。（MRIについて、シーケンスについて、詳しくは各論にて記載。）

・T2：大脳皮質、灰白質、視床、視神経など解剖学的（形態）を見ることできます。
・T1：造影剤検査との比較で用いることが多いです。
・DWI：急性期の脳梗塞を判定します。
・フレア：くも膜下出血を判定します。
・T2スター：過去の脳出血を判定します。
・ASL：脳血流を判定します。
・MRA：脳動脈瘤、血管の狭窄などを判定します。

MRI検査の注意点

MRI検査は磁場と電波を使用しますので、心臓ペースメーカーなどの体内金属を埋め込みのある方は検査できない場合があります。
詳しくは医師もしくは技師にお尋ねください。

2016.5.2記

勝川脳神経クリニック脳神経外科神経内科リハビリテーション科

勝川脳神経クリニック導入 【東芝製 MRI「Elan」 1.5T】

東芝製 MRI「Elan」の特長

■短時間検査・鮮明な画像
最新の強力な磁場（磁石）を使用した1.5テスラMRI装置を導入することで、短時間で検査ができ、鮮明な画像で診断ができます。
1.5テスラMRIの多くは大きな病院で導入されていますが、身近なクリニックで待ち時間も少なく検査を受けていただくことができます。
■検査を受けられる方に優しい設計
・検査音の低減
一般的なMRI装置は検査の時に工事現場のような激しい音がします。導入したMRI装置は、検査音を低減し、検査時の音への緊張と不安をできるだけ軽減しています。
・安心いただけるデザイン
MRIは丸いトンネルの中に入っていただく検査ですが、トンネルの長さは従来に比べて短く、明るいデザインのため検査を受けていただきやすくなっています。