ナルティーク(ナルティークOD錠75mg)は片頭痛の発作時の治療と発症抑制(予防)の内服薬 | 名古屋~春日井の脳神経外科 | 勝川脳神経クリニック

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ナルティーク(ナルティークOD錠75mg)は片頭痛の発作時の治療と発症抑制(予防)の内服薬

片頭痛治療薬 ナルティーク OD 錠 75mg(リメゲパント)製品ロゴ画像。経口CGRP受容体拮抗薬で、Nurtec OD tablets 75mg と記載。処方医師の指示で使用する処方薬。

ナルティーク(ナルティークOD錠75mg)(リメゲパント)とは

ナルティークは、片頭痛急性発作時の治療に加えて、発症抑制(予防)にも使える新しいタイプの内服薬です。
有効成分であるリメゲパントは、CGRP受容体をブロックし、片頭痛の原因とされる神経伝達物質の作用を抑えることで、発作の痛みを和らげると同時に、繰り返す片頭痛発作の予防にも効果を発揮します。
また、本剤は口の中で速やかに溶ける口腔内崩壊錠(OD錠)で、水なしでも服用できるため、片頭痛発作時の服用シーンにも適しています。

※ナルティーク(ナルティークOD錠75mg)は、年内に発売予定の新しい片頭痛治療薬です。
正式な供給開始後、医療機関を通じて処方される予定となっております。

特長(ポイント)

急性期治療と発症抑制の両方に適応
1回75mgのシンプル投与
水なしで服用できるOD錠(舌上・舌下で溶かす)
トリプタン以外の選択肢として利用可能

効能・効果

片頭痛発作の急性期治療
片頭痛発作の発症抑制(予防)

※国際頭痛学会(IHS)基準に基づき、前兆の有無を含め片頭痛と診断された方が対象です。

用法・用量

急性期治療:片頭痛発作時に1回75mgを経口投与
発症抑制(予防):75mgを隔日で経口投与
1日の総量は75mgを超えません

服用のコツ(OD錠)

ブリスター裏面シートを完全に剥がしてから取り出す(押し出さない)
乾いた指で直前に取り出す(吸湿性あり)
水なしで舌上・舌下で溶かして服用(※水でのデータは未取得)
ブリスターから出したまま保管しない

服用可否・注意が必要な方

禁忌 / 原則避ける

末期腎不全(eGFR <15)
重度肝機能障害(Child-Pugh C)

注意が必要

中等度~重度の腎機能障害/中等度の肝機能障害:薬剤濃度が上がり副作用増加の恐れ
妊娠中/妊娠の可能性:有益性が危険性を上回る場合のみ
授乳中:授乳継続の可否を医師と相談
小児:有効性・安全性は未確立

併用注意(飲み合わせ)

ナルティーク(リメゲパント)はCYP3A4やP-gpの影響を受けます。

避けたい薬:強いCYP3A4阻害剤(例:イトラコナゾール、リトナビル等)/強い・中等度CYP3A4誘導剤(例:リファンピシン、セントジョーンズワート等)
注意する薬:中等度CYP3A4阻害剤(例:フルコナゾール等)、P-gp阻害剤(例:シクロスポリン、ベラパミル等)
その他:スマトリプタンとの併用で大きな血圧影響は報告されていませんが、自己判断は避けてください。
※現在服用中のお薬・サプリは必ず医師に申告してください。

副作用

重大なもの

過敏症(呼吸困難、発疹など)。数日後に遅れて出る場合あり。異常時は直ちに受診・服用中止。

よくある副作用(頻度の目安)

悪心、便秘、めまい、眠気、疲労感、口渇、消化器症状(腹痛・下痢・胃部不快感)など
血液・肝機能・血圧・心電図変化などが検査で見つかることがあります。
※症状が強い/長引く場合は受診してください。

受診時のチェックポイント

これまで片頭痛の診断が未確定の方、これまでと様子が違う頭痛や神経症状を伴う場合は、まず原因評価が必要です。
発症抑制は、月に複数回発作がある方や慢性片頭痛の方で、非薬物療法や急性期治療でも日常生活に支障が残る場合に検討します。
開始後約3か月で有益性を評価し、改善が乏しければ継続可否を再検討します。

識別情報(患者さん向け)

製剤名:ナルティークOD錠75mg(白色・円形)
剤形サイズ:直径約13.7mm、厚さ約3.7mm
添加物:ゼラチン、D-マンニトール、スクラロース、香料

当院でのご案内

ナルティークは、片頭痛の発作時対応と予防を一剤で検討できる新しい選択肢です。適応可否や飲み合わせ、妊娠・授乳中の扱いは個別に判断します。受診時に現在の症状頻度・市販薬/処方薬の使用状況・既往歴をお知らせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ナルティークはいつ飲みますか?
A. 発作時は痛みが中等度以上になる前の早いタイミングが目安です。予防目的は隔日で服用します(1日総量75mgまで)。

Q2. 水で飲んでも良いですか?
A. 水でのデータは十分でないため、水なしで舌上/舌下で溶かして服用してください。

Q3. 他の片頭痛薬(トリプタン等)と一緒に使えますか?
A. 併用可能な場合もありますが、自己判断は不可。必ず医師にご相談ください。

Q4. 副作用が心配です。
A. 多くは軽度ですが、発疹・呼吸困難などの過敏症状は緊急受診が必要です。気になる症状は服用を中止し、早めにご連絡ください。

添付文書要約|ナルティーク(ナルティークOD錠75mg)

組成・性状

販売名:ナルティークOD錠75mg(白色・円形、直径約13.7mm/厚さ約3.7mm)
剤形:口腔内崩壊錠(OD錠)
有効成分:リメゲパント 75mg(リメゲパント硫酸塩水和物として85.65mg)/1錠中
添加物:ゼラチン、D-マンニトール、スクラロース、香料

効能・効果

片頭痛発作の急性期治療および片頭痛発作の発症抑制(予防)
※国際頭痛学会(IHS)基準に基づき、前兆の有無を含め「片頭痛」と確定診断された患者を対象。

用法・用量

急性期治療:成人にリメゲパントとして1回75mgを片頭痛発作時に経口投与
発症抑制(予防):成人にリメゲパントとして75mgを隔日で経口投与
1日の総投与量:リメゲパントとして75mgを超えない

効能に関連する重要事項

急性期治療:未確定の頭痛、通常の片頭痛経過と異なる症状を呈する場合は投与前に十分な問診・診察・必要な検査で原因を確認
発症抑制:月に複数回の発作または慢性片頭痛で、非薬物療法・急性期治療を適切に行っても日常生活に支障がある患者で適用を検討

投与継続の評価

予防投与中:症状経過を十分観察し、開始後おおむね3か月で有益性を評価。改善が乏しければ中止を考慮。以後も定期的に継続要否を検討。

重要な基本的注意

本剤は片頭痛治療に熟練した医師の管理下で使用する。

特定の患者に関する注意

腎機能障害:末期腎不全(eGFR<15)は投与回避が望ましい。中等度~重度障害では非結合形濃度上昇により副作用増強の恐れ。
肝機能障害:重度(Child-Pugh C)は投与回避が望ましい。中等度(B)でも非結合形濃度上昇に注意。
妊婦:有益性が危険性を上回る場合に限り投与(動物で胎児毒性所見)。
授乳:母乳・育児の有益性を踏まえ、授乳継続または中止を検討(相対的乳児投与量は1%未満の報告)。
小児:有効性・安全性は確立していない。

相互作用(併用注意)

代謝・輸送:リメゲパントはCYP3A4主代謝、一部CYP2C9、およびP-gp基質
併用を避けたい薬剤:強いCYP3A4阻害剤(例:イトラコナゾール、リトナビル等)、強い/中等度CYP3A4誘導剤(例:リファンピシン、セントジョーンズワート等)
注意が必要な薬剤:中等度CYP3A4阻害剤(例:フルコナゾール等)、P-gp阻害剤(例:シクロスポリン、ベラパミル等)
参考:スマトリプタン併用で薬物動態の軽度変化報告あり。自己判断での併用は避け、医師に必ず申告。

副作用

重大な副作用:過敏症(発疹、呼吸困難など)。遅発性の重篤例に注意。異常時は投与中止・受診。
その他:悪心、便秘、めまい、眠気、疲労感、口渇、腹痛/下痢/胃部不快感等。検査値異常として肝酵素上昇、血圧上昇、心電図QT延長などが報告。症状が強い・持続する場合は受診。

過量投与時の対応

高い蛋白結合率のため、透析による有意な除去は期待しにくい。支持療法を行う。

適用上の注意(服薬指導の要点)

ブリスターから取り出して服用(シート誤飲は重篤な合併症の恐れ)/裏面シートを完全に剥がしてから取り出す(押し出さない)/吸湿性のため使用直前に乾いた指で取り出す/水での服用データは十分でないため水なしで舌上・舌下で溶かす/ブリスターから出したまま保管しない

薬物動態(要約)

吸収:絶対バイオアベイラビリティ約64%。食事(高脂肪・低脂肪)でCmax・AUCは低下傾向。
分布:見かけの分布容積約120L、血漿蛋白結合率約96%。
代謝:CYP3A4主体(CYP2C9一部寄与)。血漿中は未変化体が主。
排泄:放射能回収率:尿約24%、糞便約78%。尿・糞便とも未変化体比率が高い。
腎・肝機能影響:中等度~重度障害で非結合形曝露量上昇。重度障害では臨床的注意・回避を検討。

有効成分情報

一般名:リメゲパント硫酸塩水和物(Rimegepant Sulfate Hydrate)
分子式:(C28H28F2N6O3)2・H2SO4・3H2O / 分子量:1,221.24
性状:白色粉末。DMSO・DMFに溶けやすく、エタノール・水には溶けにくい。
分配係数(logP):0.8

※本要約は医療従事者向け情報に基づき、患者さん向けに簡潔化しています。処方可否、投与量、併用可否は個々の臨床状況により医師が判断します。
キーワード:ナルティーク, ナルティークOD錠75mg, リメゲパント, CGRP受容体拮抗薬, 片頭痛, 片頭痛予防, 片頭痛急性期治療

※本記事は勝川脳神経クリニック 院長 青山 国広 医師(日本脳神経外科専門医/日本脳卒中専門医/頭痛指導医)が監修しています。
監修日:2025年9月19日
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