エムガルティ(片頭痛発作の発症抑制)

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エムガルティ(片頭痛発作の発症抑制)

片頭痛発作の発症抑制『エムガルティ』ってどんなお薬?

『エムガルティ皮下注射(※2)』はトリプタン製剤発売以来20年ぶりに登場した、片頭痛発作の原因とされている“CGRP(※3)”を抑制する新しい片頭痛発作抑制薬(予防治療薬)です。

エムガルティは脳の神経から血管の拡張を引き起こす因子“CGRP”が受容体(受け皿)と結合することを予防し、“CGRP”の本来のはたらきを抑制し、片頭痛発作が起こるのを抑えると考えられています。

エムガルティは予防治療のお薬です

エムガルティは片頭痛発作抑制薬(予防治療薬)で、注射のお薬です。
初回に2本、2ヶ月目から月に1本注射します。
初回に2本注射することによって、お薬の血中濃度が早く安定した状態になります。

『エムガルティ』の効果

・片頭痛日数を減らす
・急性期治療薬を使う日数を減らす
・片頭痛発作を軽くする

このような患者さんにお使い頂けます

・片頭痛発作が月4日以上ある方
・従来の予防薬では効果不十分、あるいは内服が継続できない場合

エムガルティの特徴

①片頭痛で抱える悩み

片頭痛で悩める患者さんの多くが、『仕事に集中できない』『次に来る発作が不安になる』『周りのひとの理解が得られない』など、さまざまな日常生活への影響・お悩みをかかえられております。
エムガルティで少しでもこれらの影響・お悩みが解決できる可能性があります。

②患者さんが求められるお薬への期待(有効性と即効性)

片頭痛で悩まれているかたの多くは、片頭痛の予防薬へ『有効性』と『即効性』を求めておられるというデータが米国のアンケートで出ております。
ご自身が今片頭痛治療を通じて求められている事は何でしょうか?
また診察の際に教えて下さい。

③エムガルティ投与後の血中濃度の変化

エムガルティは初回1本投与だと薬の効果が安定するのに3か月かかってしまうため、あえて初回2本投与となっております。
この投与方法により、1か月目の早い段階で安定した効果を得る事ができます。
(薄い緑が1本、濃い緑が2本)

④反復性片頭痛患者さんの片頭痛日数の変化

エムガルティを投与した患者さんの群(下の青い折れ線グラフ)では投与1月目から約8日あった片頭痛が約半分(3.8日)に減少します。

⑤投与1ヶ月目までの効果 (オッズ比)

エムガルティ投与1週目からプラセボ(偽薬)と比べて優位な差を持って効果が発現しております。
このデータより、エムガルティをご投与頂くと早い方ですと1週目から効果をご実感頂ける可能性があります。
今実際にご投与頂いている患者さんでも1週目・2週目あたりから効果をご実感頂いているお声を多く頂いております。
詳細をお聞きになりたい方は、診察の際にお声を掛けて下さい。

⑥お薬の反応率

エムガルティをご投与頂くと、約60%の患者さんは片頭痛日数が半分以下になる可能性があります。(半年間平均)

⑦反応率の経時変化

エムガルティをご投与頂くと、1ヶ月目から50%以上の患者さんで片頭痛が半分以下になり、4か月目以降では60%を超える患者さまで片頭痛日数が半分以下になりました。

⑧日常生活への影響 (投与6か月後の平均)

反復性片頭痛がどれだけ日常生活に支障をきたしているかをみたデータです。
片頭痛はその日数だけでなく、一発作時の重症度も重要になっております。
エムガルティをご投与頂きますと、『仕事または学校』で、いつもの半分以下しかできないと感じる日が1か月の内約7日あった患者さんがエムガルティ投与後は半分以上できると感じる日が約5日増えました。
『家事』が1か月の内約9日できなかったと仰っていた患者さんが、エムガルティを投与後は約6日できるようになりました。
『家庭での行事・付き合い・用事の遊び』が出来ないと感じられていた日が1か月の内約5日あった患者さんが、エムガルティ投与後は約1日に減りました。
片頭痛による日常生活への影響について、お困りの点がありましたらお話聞かせて下さい。
お薬で日常生活への影響を減らせる可能性があります。
※MAIDASとは
片頭痛の障害評価尺度のことで、日常生活を仕事・学校・家事・余暇の3つの領域に分類して、その不能状態を患者さんご自身で点数化して合計したものを支障度として評価します

⑨他のお薬で効果が不十分だった反復性・慢性片頭痛の日常生活の変化

他のお薬で効果が不十分だった反復性・慢性片頭痛の患者さんにおいて、仕事に出社はするものの、今日やらなければならない仕事が出来なかったなど、生産性が低下していたた日が月に約22日あった患者さんが、エムガルティをご投与頂くとできなかったと感じられた日が約10日と半分以下になり、仕事の生産性が向上する可能性があります。
日常生活に何らかの影響がある日が約22日あった患者さんが、エムガルティをご投与頂くと、支障があった日が約20日減少し約2日となりました。
片頭痛治療では、頭痛日数だけではなく、日常生活の困難を軽減することが重要であるため、お薬で、できないと感じている日が減らせる可能性があります。
診察の中で、日々の生活で頭痛が原因でお困りのことを教えて下さい。
※プレゼンティーズム
健康の問題を抱えつつも仕事(業務)を行っている状態
※アブセンティーズム
仕事を休業している状態

⑩慢性片頭痛の患者さんの片頭痛日数の変化

エムガルティをご投与頂くと、慢性片頭痛の患者さんにおいて、1ヶ月目から約4日の片頭痛日数の減少がみられました。
※慢性片頭痛
ベースラインの頭痛日数が15日以上、このうち8日以上で片頭痛の特徴を有した患者さん

⑪エムガルティ投与を中止したその後

エムガルティを中止頂いても、すぐに元の状態に戻ってしまう(リバウンドしてしまう)ことはありません。
1年間エムガルティを投与頂いた後、4か月間経過を観察した試験では、片頭痛日数の減少が維持されておりました。(一番下の黄緑色のグラフ)

⑫安全性

主な副作用の報告は注射部位関係で、投与当日に起こることが多く、その日の内、もしくは翌日には消失しております。

注釈

(※2)
1. 当面の間は使用可能施設は脳神経専門医等に限定されています。
2. エムガルティは「抗体薬」という飲み薬とは違うタイプのお薬で皮下に注射して、 それが血液中に入り効果を発揮します
3.治験のデータでは、6ヶ月後の効果は頭痛日数が
50%減:59% 75%減:33% 100%減(片頭痛発作なし):11%でした
 使用開始月から効果が出ることもありますが、まず3ヶ月継続して効果がない場合は 中止も考慮します。
4. 治験のデータでは、1ヶ月あたりの片頭痛日数がベースラインから6ヶ月平均で 4.3日減少しました。
5.副作用 
注射部位の痛み・腫れなど 
めまい、蕁麻疹、便秘なども稀に出現
6. 費用
健康保険が適用されます。
3割負担の場合
再診療・注射処置料含め 第1回目(エムガルティ2本):27,550円
再診療・注射処置料含め 第2回目(エムガルティ1本):14,000円

(※3)
CGRPの作用
1、血管拡張作用
2、炎症メディエーターの 産生・分泌促進作用 (神経原性炎症)
3、疼痛伝達亢進作用(侵害受容ニューロンの 直接興奮作用)

ヒト化坑CGRPモノクローナル抗体製剤 『エムガルティ』

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴を有する患者

3. 組成・性状
販売名
エムガルティ皮下注 120mgオートインジェクター
エムガルティ皮下注 120mgシリンジ
有効成分
1シリンジ1mL中ガルカネズマブ(遺伝子組換え)120mg
添加剤
L-ヒスチジン 0.5mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物 1.5mg
ポリソルベート80 0.5mg
塩化ナトリウム 8.8mg
※本剤はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

3.2 製剤の性状
性状・剤形
無色~微黄色~微褐色の澄明又は わずかに乳白光を呈する液(注射剤)
pH 5.3 6.3
浸透圧比 (生理食塩液に対する比) 約1

4. 効能又は効果
  片頭痛発作の発症抑制

5. 効能又は効果に関連する注意
5.1 十分な診察を実施し、 前兆のある又は前兆のない片頭痛の発作が月に複数回以上発現している、又は慢性片頭痛であることを確認した上で本剤の適用を考慮するこ
。 5.2 最新のガイドライン等を参考に、 非薬物療法、片頭痛発作の急性期治療等を適切に行っても日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。

製造販売元 エムガルティ®
日本イーライリリー株式会社 名古屋支店 名古屋市東区東桜1-13-3

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